【主婦に朗報】スーパーで牛肉の品質がスマホで確認可能に

全国の主婦の皆さんに朗報がある。特に成長期のお子さんを育てている主婦の方は、子どもが食べるものについて気にされている方も多いだろう。今回はタイトル通り牛肉の話だが、この話は乳幼児が口にするベビーフード等にも今後広がっていくだろうから、消費者の食に関する安心は新しい次元に到達しようとしている。
今でも牛肉の産地は確認可能だ。例えば牛肉のパッケージに記載されている「個体識別番号」を検索すればある程度の情報は出てくるし、レストラン等でも聞けば識別番号を教えてくれたりする。これは2000年代初めにBSE(狂牛病)の問題があってから法律で定められたもので、牛トレーサビリティ法に基づいた情報の管理、運用が行われているからだ。ちなみにトレーサビリティとはある商品を産地から消費までの過程において特定することである。
しかし今回可能になったのはそんな次元の話ではない。まず情報の信頼度が違う。今までのやり方で消費者の信頼を得られているのだろうか。2015年にも飛騨牛でない牛肉を産地偽装して、飛騨牛として販売していた問題が発覚。また牛の識別番号を表示せずに販売しても、最初は是正勧告がされるだけである。
このような偽装問題は氷山の一角にすぎないだろう。牛の識別番号で検索すれば産地などが分かるといっても、それが本当か嘘か消費者が確かめる方法はない。牛の識別番号をわざわざ1文字ずつスマホに打ち込んでまで、本当かどうかも分からない情報を調べようとあなたは思うだろうか。
これが産地偽装だけであればまだマシだ。でも健康や安全に関わるような事に関しても偽装されているかもしれない。実際、世界で販売されているエクストラヴァージンオリーブオイルの70%は低品質の油などが混ざった偽物であると言われている。
今まで我々消費者は、本当に信頼出来る商品に関する情報を得る術が無かった。企業の言うことを全て鵜呑みにするほか無かったのである。
しかし、もし牛の産地といった情報だけでなく、適切な温度管理が行われていたかどうかや、農家からスーパーまでの全ての流通経路、バクテリア汚染の有無など、品質や安全に関わる情報を全て簡単に、信頼出来る形で得られるとしたらどうだろう。しかもスーパーで販売されている牛肉のパッケージに付いたQRコードをスマホで読み取るだけで、専用のアプリが見やすい形で必要な情報を表示してくれるのだ。
これを可能にしたのが、スイスの企業Ambrosusである。といっても、今回の牛肉に関しては韓国のスーパーでの話だ。日本の企業もAmbrosusと提携し、消費者に安心を提供してくれることを願うばかりだ。
ちなみに今回Ambrosusと提携した韓国の企業は、辛ラーメンでおなじみの農心の子会社、NDS(農心データシステム)だ。
なぜ今までと違って産地を信頼出来るのか?鍵はブロックチェーン

なぜAmbrosusであれば今までのやり方と違って信頼出来るのか?それはブロックチェーンという技術を使っているからである。
多くの主婦の方も聞いたことがあるのではないだろうか。簡単に言えばあのビットコインで有名になった、データの改ざん、変更が出来ないデータベース(台帳)のことだ。
今までのデータベースはその運営主体である企業の持ち物であった。そこに記録されたデータはやろうと思えばいつでも変更出来るし、都合良く改ざんすることだって出来る。
それがブロックチェーンでは出来ないのだ。なぜなら誰もデータベース(ブロックチェーン)を独占していないからだ。世界中の人たちがたった1つのデータベースを保有しているので、自分が持っているデータベースの情報だけ改ざんしても他の人たちに変更が却下されてしまう。そのように情報の正当性を保つことに貢献することで、ビットコインが報酬として貰える。つまりビットコインを貰うための利己的な行動が、データベースの公正さを維持し、結果としてみんなのためになるのである。
Ambrosusも同様にブロックチェーンを利用しているため、牛肉の産地や品質について記録された情報を消費者は信用することが出来る。
もし悪徳業者が始めから嘘の情報を入力しても、一度記録した情報は変更出来ない。つまり一度バレたら不正が全て公になってしまう。後でそのときの状況に応じて都合良く書き換えることが出来ないし、産地などについて偽装するということはその商品の卸先であるスーパーなどの小売店なども裏切ることになる。そういう悪徳業者と知らずに取引してしまっている事が多いのが現状であり、悪徳業者と分かれば他の業者は関わりたくない。つまり消費者を含めて誰でも簡単に情報にアクセス出来る状態で不正を行うということは、不正がバレたら完全にその業者は終わりなのである。
ちなみにブロックチェーンだからといって、なんでも良い訳ではない。例えばIBMのブロックチェーンは完全に企業向けであって、消費者のためのものではないからだ。これはAmbrosusのブロックチェーンとは違って、企業側が結託すれば記録されたデータを変更したり改ざん出来たりしてしまう。先程言ったように仮想通貨を報酬としてシステムに組み込むことによって、一般人がデータベースの信用性を担保する動機が生まれる。IBMのブロックチェーンはプライベート・ブロックチェーンといって、仮想通貨が存在しない。一方Ambrosusでは、仮想通貨AMBを報酬として与えることで企業以外の人たちが分散してデータを保存、信頼性を担保してくれる。
blockchain-potential.hatenablog.com
今後もブロックチェーンによる品質保証は拡大していく。そのうち日本でも?
という訳で、今回可能になったのは韓国のスーパー(メガマート)で販売される牛肉の産地や流通経路、温度管理などの品質に関する信頼出来る情報に、簡単に消費者がアクセス出来るようになったというものである。
さらにAmbrosusは自社でIoTセンサーも開発していて、それらは特定のDNA(例えば豚など)、pH、酵素、水質など様々なパラメータを検知することが出来る。つまり豚を食べられないイスラム教の人たちも、安心して豚が含まれていないことを保証された食品を食べられるようになる。イスラム教はあまり身近に感じないかもしれないが、これはアレルギーや添加物、農薬の含有量などに対しても言えることだ。
主婦の皆さんが安心して食品を買える時代がもうすぐそこまで来ている。